真宗大谷派 蓮慶寺様(愛知県知多郡阿久比町) |
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蓮慶寺様では、当社が本堂・大門・土塀の登録文化財申請と修復工事を行ないました。 今回、蓮慶寺住職様と坊守様にお話を伺いました。
■工事理由: ・本堂を修復することは先代住職からの願いでもあった。 ・詳細な調査報告によって、建物が傷んでいることを実感した。 ■魚津社寺工務店を選んだ理由: ・同社が修復を行なった他の寺院の見学を行ない、そのお寺様から話を伺って、信頼できると思った。 ・寺院・門徒が知らないような、本堂をはじめとする建物の歴史的な価値を見出してもらった。 ・その価値は、登録有形文化財に登録されたことで証明された。 ■工事のご感想: ・工事を担当した職員が阿弥陀如来に必ず合掌して帰る姿を見て、感動した。 ・定期的な委員会を開催し、工事の進捗状況や棟札などの発見物を資料とともに説明してもらえた。また、こちらの質問にも丁寧に答えてもらった。 ・本体工事以外の雑工事(例えば、登録有形文化財プレートの木製の台の作製)もやってもらえた。 ■蓮慶寺様の工事を担当させて頂いて: 蓮慶寺様の本堂は小屋裏から発見された棟札により、宗祖親鸞聖人550回忌年にあたる文化8年(1811)の落慶で、地元阿久比の横松大工 榎本清兵衛が棟梁であることがわかりました。 全く同年に、尾張名古屋伊藤平左衛門義房(六世)によって上棟された碧南市西方寺本堂とともに、 本堂正面向拝に柱4本を建てる三向拝の形式をとるなど、江戸時代後期から大型化して発展する真宗本堂の中でも、愛知県内を代表する建築といえるでしょう。 境内正面の大門は大型の四脚門で、棟札から、明治29年(1896)に落成し、棟梁は横松の江原新助です。 この再建は同31年(1898)の本願寺第8代蓮如上人400回御遠忌に合わせたものと考えられ、蓮慶寺様には蓮如上人筆六字名号も伝わっています。 本堂・大門の棟梁を輩出した横松は大工集団の村として周辺地域からも認知されており、同村の大工を「横松大工」と呼んでいました。 本堂棟梁の榎本清兵衛、大門棟梁の江原新助とも、その横松を代表する大工です。 これら蓮慶寺様の建物が登録文化財に登録された際には、全国のニュースや新聞の全国版にて紹介されました。 それは建物自体の価値に加えて、地域の建築文化とも密接に結びついていたことが高い評価につながったのだと思います。 これだけの本堂・大門を再建され当時は相当なご苦労があったと想像されますが、これまで護持されてきたお寺様、ご門徒の皆様も同様に苦労があったはずです。 今回の修復工事を終えて、そういった苦労されてきたお寺様・ご門徒の皆様に喜んで頂けたことを 何よりも嬉しく感じています。
登録有形文化財プレート 登録文化財に蓮慶寺「中日新聞知多版」2012年12月15日 (クリックすると拡大します) 蓮慶寺本堂 工事前 蓮慶寺本堂 工事後 蓮慶寺大門・土塀 工事前 蓮慶寺大門・土塀 工事後 |